私はかねてから、仮想通貨市場の将来性は暗い、素人は手を出さない方がいいということを言ってきましたが、実は仮想通貨ブームの裏側には意外な国が隠れています。
覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、2018年に日本のコインチェックという仮想通貨の取引所で大規模な盗難事件が起きました。これは典型的なサイバーハッキング犯罪でして、約580億円分のNEMという仮想通貨が盗まれてしまったのです。
この会社はなんと、400億円ほどキャッシュで用意して、お金を奪われた被害者に補填したそうですが、盗まれたNEMというお金は、ダークウェブと呼ばれる闇市場で資金洗浄されて行方不明になっているのです。これは、単にハッキングして盗んだというだけの話ではなくて、盗んだものが別の通貨に交換されてしまったということが重要なのです。
■実は犯人は…北朝鮮?
この犯人は誰が怪しいのかというと、実はこれが北朝鮮だと言われているのです。
これは韓国の国家情報院が伝えていることです。韓国は北朝鮮にたびたびハッキングを受けてひどい目に遭っている国ですから、手口がよくわかっているのかもしれません。
韓国国会の情報委員会で、コインチェック事件の背後には北朝鮮の国家が育成したハッカーが
いるのではないかという発言がありました。状況証拠的には、北朝鮮ということで間違いないのではないかと考えられているわけです。
この話からわかる通り仮想通貨を危うくしている理由の1つは、コインチェックのような取引所はセキリュティが大甘だということです。それはブロックチェーンという技術に問題があるという話ではなくて、それを扱う取引所に問題があるということです。どれだけ技術が優れていても、通貨を交換する場所が簡単にハッキングされてしまったら、どうしようもないのです。
■いつ盗まれるかわからないリスク
2014年には、同じくハッキングによって一番被害が大きかったマウントゴックス事件もありました。これも日本の会社です。
ですから、みなさんがこういう取引所にお金を預けるということは、強盗によく襲われる銀行にお金を預けることと同じなのです。
実際の日本円や米ドルだったら、たびたび強盗が入っている銀行にはお金を預けることはありません。それはお金が信用できないのではなく、銀行が信用できないということです。